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今日しか書けないこと 3/11

東日本大震災から今日で丸3年です。

被災された方、ご家族や親しい人を亡くされた方、避難されている方、
本当にたくさんの方々にとって、たった数秒前には想像も出来なかった大きな災害が起こった日です。
お見舞い申し上げます。

私は直接被災することはありませんでしたが、こんなことがありました。
いろいろな人に助けられた記憶を忘れないよう、記しておきます。

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3年前のあの日あの時間、私は実家のある神奈川へと向かう新幹線の車内にいました。
1歳3ヶ月の娘と一緒に。
3/12に恩師の講演会があり、参加を兼ねてしばらく実家へ帰省することになっていました。

元々は午前中に神奈川へ向かう予定でしたが、
私の花粉症がその日突然酷くなり、耳鼻科へ立ち寄ってから午後に帰省することになったのです。
昼ご飯も食べ、すっかり寝入った娘と共に、
静かに新幹線で読書でもしようと乗り込んだのが14:42。
その数分後、異音と急ブレーキの揺れを伴って新幹線は停車しました。

「東北から関東地方で震度6以上の大きな地震が発生しました。
そのため、静岡~東京間で停電が起こり、東海道新幹線は運転を見合わせます。」

どこかわからない場所で停車すること、20分くらい。
その後名古屋までゆっくりとした運転で向かうことに。何時になるかはわかりません。
乾燥する車内。
万が一の長期戦に備えて、既に離乳している娘用に水分を確保しなくてはならない。
ワゴン販売では当然水は売り切れ。
困りました。

しかし、その後乗務員の方が娘用にと、スポーツ飲料を持って来てくれました。
お名前を聞いておくべきだったと思いました。今でも本当に感謝しています。

16時ごろにようやく名古屋着。
この間娘は終始眠っていました。

名古屋に着くと、多くの人が車内に入れ替わり立ち替わり入ってきます。
その先に向かう、というより、寒いホームから暖をとりに入ってくる人、車内アナウンスに耳を傾ける人等々。
その間に状況が少しずつわかってきて、SNSなどで友人が
「関東の在来線は止まっているから、新横浜まで着いてもその先移動出来ない。引き返して。」
と次々教えてくれました。
その時の友人にも、本当に感謝しています。

16:30頃に目覚めた娘。
下り方面に停車中の新幹線を動かすというアナウンスがあり、
周りもざわつき始めます。
詳細を聞きたくても、車掌さんも駅員さんも全て問い合わせで詰め寄る人たちの対応に追われていました。

しかし、そろそろぐずりそうな娘と新幹線に乗っていても仕方がありません。
勝算はないまま、一か八かベビーカーを押しながら下りホームへ走りました。

新大阪に引き返す新幹線は1本だけということで、既に多くの人が乗り込んでおり、
どうあがいてもベビーカーごと乗り込むことは出来ませんでした。
少しでも空いている車両はないかホームを小走りで探していると、
東京行きの同じ新幹線で近くに乗っていた若い男性が、すし詰めの車内から私を呼び止めました。
「ここにベビーカー置けますから!どうぞ!」と。
そのお兄さんはせっかく乗り込めた新幹線から降りて、私に場所を譲ってくれたのです。
この方にもお名前を聞いておいたらよかったのですが、お互いにそんな余裕はなく、
でもひたすらお礼を言って新幹線に乗せてもらいました。

暑くなる車内。大人しくしていた娘もそろそろ限界です。
おむつも替えられない、おやつも食べられないと来たら、赤ちゃんは泣きます。
さっき頂いたポカリや持っていたビスケットを上げようにも混み合う車内。
どうにか上着を脱がせ、ビスケットを食べさせましたが、
その後さらに人が乗ることになり、いよいよベビーカーを畳むことに。
混みすぎて抱っこ紐を出すことも出来ませんでした。
その時、反対方面の車両のお兄さんが窓越しに娘をあやしてくれたり、
隣のおじさんが「抱っこ大変でしょう・・・」と声をかけてくれたり。
そのおじさんはさらに周りの方に声をかけてスペースをあけて下さり、
「ベビーカー広げなさい」と言って下さいました。
本当に感謝してもしきれません。

17:22、新幹線が動き始めました。

周りの方々の助けもあり、18:45に京都へ戻ることが出来ました。

車内での娘は大きな声で「マンマ!マンマ!」と空腹をアピールしたり、
不機嫌になっておもちゃを投げたりと、周りの方々にはご迷惑をおかけしてしまいました。
しかし、幸い優しい方が多く、なんとか乗り切れました。

降車時も、先ほどのベビーカースペースを作って下さったおじさんが
私の荷物を持って下さり「お母さん、おつかれさまだったね」と言葉をかけて下さいました。
ほっとしたのもあって、私は目頭が熱くなってしまいました。

降車後も料金の払い戻しの長蛇の列に並び、
家路についたのは19:15でした。

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この日、私と娘は本当にたくさんの人に助けて頂きました。

実際に地震に遭ったわけではありません。
何倍も辛い経験をされた方が何万といらっしゃることも承知の上です。



助けて頂いた方への感謝のメッセージと、
また自分や(大人になった時の)娘が逆の立場であった時も
誰かの為に動ける人になれるよう、願いと決意をこめて。






2014-03-11 | Posted in journal | No Comments »

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