昨年、私が教える芸術大学の卒業生から突然電話がありました。 電話口の声で彼女の名前と顔をすぐにはっきりと思い浮かべることができました。
彼女は6年前に卒業して現在、大阪のデザイン事務所に勤務しています。 久しぶりの電話の内容は、私が撮った「京都の写真」でカレンダーの企画をしたいとのことでした。
企業のカレンダーにはコンペがあって、そこからひとつ選ばれるのですが 、 「デザイン」と「写真」が一つになって始めてよいものが生まれます。 正直言って、私の写真は毎年カレンダーのコンペには出るのですが 、 ここ何年間は選ばれることはありませんでした。
早速、数千枚の写真を選び持ち帰った彼女は、一ヶ月ほどして、そのうちの200枚もの写真をうまく散らして錦絵のようなデザインをあげてきてくれたのです。 彼女の時間を惜しまない努力と仕事に対する愛情が一目見て伝わってきました。 すばらしいカレンダーに仕上がっています。
そしてカレンダーは細部の修正を終えコンペに出されました。
程なく彼女から電話がありました。
「ありがとうございました。企画・・通りました。」と、うれしい声。
私もその声を聞いて、大きな仕事を終えた充実感を彼女とともに感じていました。
28歳の女性と57歳のおじさんとのコラボレーションなのですが 、私にとっては教え子から若い力をもらったようなそんな気持ちで、本当にうれしい出来ごとでした。
亀村 俊二
-
最近の投稿
最近のコメント
アーカイブ
カテゴリー
メタ情報