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文具店のお爺さん
近所の商店街に古い文具店があります。
歳の頃なら80過ぎの方がいつも店番をされています。
棚からはみ出た商品は今にも落ちて来そうに山積みになり
足元にはチラシが散乱していて足の踏み場もありません。
それでも近所に住む人には大変人気があるのです。
お爺さんはどんなものを頼まれてもその無造作に積まれた大量の文具の中から
買いたいものを必ず出して来てくれるのです。
あの店に行けば何でも揃っていると評判の店となっています。
ところが数年前からお爺さんは腰をくの字に曲げて
左右の棚に寄りかかりながら店に出てこられるようになりました。
それでも山のように積まれた商品の中から時間はかかりますが
ほしい品を探し出してくれるのです。
お客さんのなかには許されるのなら、お店の掃除をさせてほしいといっている主婦の方もおられます。
先日、妻が半紙を買いに行くと「それは棚の上の引き出しにしまってあるのやけど・・・」といいながら
曲がった手足を伸ばし取ろうとされています。
「見ていられなくて、私が踏み台に乗っておじいさんの言われるところを開けたらちゃんと出てきたわ!」と言っていました。
また私がボールペンを買いに行った時には、曲がった腰をさらに折り曲げて床に散らばったチラシを
拾おうとされるのです。
言われるままに試し書きをして数本のボールペンを買って帰りました。
心温まる昔懐かしいこんな店
お爺さんにもなんとか健康で少しでも長く続けていってほしいと願うものです。
カテゴリー: photo essay
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