食卓の側の本棚を何気なく見ていると一冊の黄ばんだ背表紙が目に入って来ました。
確か15年程前、父がまだ元気だった頃この本を私にくれたのでした。
私は忙しさにかまけて読むこともしないでそれを本棚にしまい込んでいたのでした。
懐かしくなってページをめくりました。
驚いたことに、ところどころの頁にはキャラメルの包み紙を几帳面に畳んだ付箋が挟まれており そして重要な所には鉛筆で弱々しい線が引かれているではありませんか。
それを読むと父もある時期そうとう悩みながら生きて来たのだなあと思われました。
「男の更年期にあたる時期で、毎日がとてもしんどく感じられた頃・・・」
「男の惑いの季節・・・」
など、男の社会的活動の減速期に受けるショックにまつわるものでした。
ところが、この本が発行されたのは父が75歳の頃、とうに更年期は過ぎているころだったと思われます。
今までの人生と照らし合わせて、いろいろと考えていたのでしょうか。
当時、仕事に生活に危なっかしく見える息子をはげますためにこの一冊の本を託したのでしょう。
父が亡くなって10年、今頃になって気付かされる私でありました。
男の更年期まっただ中の今・・・
亀村 俊二
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