赤まんま



何時の頃からか玄関の側溝のコンクリートの隙間をぬって イヌタデ「赤まんま」という植物が生えてきました。 夏から秋にかけて赤い穂をつける可憐な雑草です。 その年もあちこちのコンクリートの隙間から芽が出始めました。

私はそれをもっと立派に育ててやろうと 土を買って来てしっかりと肥料も施しました。 しかし、数週間してもほとんど変わりなく 変わらないどころかだんだんと弱って来たので気がかりでありました。 季節も変わり雑草達も黄色く枯れ 私が入れたコンクリートの隙間の土も時とともに消えてしまいました。

ところが次の年、いつものようにいつもの隙間から 「赤まんま」は元気に芽を出しました。 そして夏にはコンクリートの表面を赤と緑のまるで絨毯のように染めてくれたのです。

「恵まれすぎたらあかんなあ」
この力強い「赤まんま」を見ていて、ふっと今の私達に置き換えるのでありました。

亀村 俊二

カテゴリー: photo essay   パーマリンク

コメントは受け付けていません。