初心忘るべからず?



ふと、私がフリーカメラマンとして初めて撮影した時のことを思い出すことがあります。

京都にある出版社から、社会科の教科書に掲載される写真の撮影依頼がありました。
26歳で独立した私にとってやっと来た初めてのやりがいのある仕事です。

ところが詳しい撮影内容を担当者から聞いてびっくり・・・なんと私の初仕事は、「奈良の大仏」の撮影だったのです。

それまでカメラマンの助手として何度も困難な撮影に立ち会ってはいましたが、今回は撮影許可どおり、限られた時間のうちに一人で撮影を終えなくてはなりません。ましてこちらは人には大きな声で言えない初仕事のカメラマン。失敗は絶対に許されません。

大きくて暗い御堂の中、カメラのシャッタースピードは?絞りは?さっぱり予想もつきません。
はたしてうまく写ってくれるのかー。

あまりにも心配になって、撮影日までにあらかじめ下見しておくことにしました。小さなカメラをジャンバーの内にしのばせて 、本番と同じ条件で撮影、シャッタースピード、絞り、ok カメラ位置はここからこの角度で・・・よし、
これで撮影当日はよく仕事慣れしたカメラマンのように動ければ・・・こんな思いではじめての撮影を経験した未熟な私でした。

あれから28年、ずいぶん慣れたはずの写真撮影ですが、いまだに ちょっと困難な撮影が迫ると
「果たしてうまく写ってくれるのか・・」
またまた心配になってしまうこんな人間の性格が憎い。

亀村 俊二

カテゴリー: photo essay   パーマリンク

コメントは受け付けていません。