最先端

 

 

 

 

 

 

今、社会はどんどんとデジタル化が進み

私の仕事、カメラもほぼ100%デジタルになっています。

デジタル化に遅れまいと、随分初期の段階からデジタルカメラとパソコンを採用して来たのですが

最近のカメラは益々複雑化してゆき、今まで経験して来た

自分の感覚や感性だけでは思いどおりの写真がとっさに撮れなくなって来たのは事実です。

いろいろな機能を備えたカメラは数字や記号ばかりです。

脳からの指令で指先をすばやく動かしカメラを操るようなことが必要になってしまいました。

このダイアルを右に回せばよいのか左がよいのか、こういう場合どのボタンを何回押せばよいのか。

人は一年一年歳をかさねて老化が進み動作が鈍くなってゆきます。

そして年々機械は進化をしてますますスピードが早くなってゆきます。

これから私はどのようにデジタルと向き合って行ったらよいのでしょう・・・。

 

最近、私のかかりつけ医から一通の手紙が届きました。

一年先に医院を廃業するとの知らせでありました。

私は早速、診察を受けに医院を訪れました。

先生は患者との会話をもとに、ゆっくりと診て適切な診断をされる、評判のよい方です。

話をさせていただくと、手紙の文面にも書いてあったように

先生も歳とともに、じゅうぶんに患者を診ることが出来なくなるかもしれない。

その時が来てからでは遅すぎるので今からその人その人に合った医院に紹介状を出されることとなったのです。

私は、先生のようにゆっくりと話を聞いてもらってから診てもらえるような医院を希望しました。

すぐに機械に頼られるのは困るのですと言いました。

先生はじっくりと考えられて

でもね、現代のことだからどこも機械に頼るでしょうね。

私のとこは古いタイプの医院ですからとおっしゃいました。

 

先生の言葉と時代のこの早すぎる流れの中でどことなく寂しさを感じてしまった最近の出来事でした。

亀村俊二

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