中高年の登山



妻と友人の三人で一泊旅行にでかけました。

三重県紀伊長島、魚料理と温泉でのんびりとした旅、初日はあいにくの雨でしたが、次の日は快晴となり、私は早朝から、宿の前に広がる砂浜の写真を撮って歩きました。

宿に戻って朝食をすませ、今日は何処へ行こうかと三人で計画、ロビーのポスターを見て、近くに世界遺産で有名な「熊野古道」があるのを知り、見に行くことにしました。

私たちは軽装で、そして家からつれて来た犬も車に待たせていたものですから、ほんのさわりの「深い自然と連なる石の山道」の風景に出会えれば折り返すことにしました。

大きな石を踏みしめ、登り始めた山道は大変にきつく私たちはゆっくりと進みました。いくらか登ると、下の方からざわざわと大勢の話声が聞こえだしました。振り返るとまだ姿は見えませんが、確かにそのざわめきはどんどん近づいて来ます。

そして、いつのまにか20人ほどのグループに取り囲まれたかとおもうと、彼らの足取りは軽く、あっという間に山の奥へと消えて行きました。

私は彼らにいっきに追い越されてしまった自分の体力の無さに大変なショックを受けたのですが、その彼らが私の歳をはるかに超える初老の登山グループであったことが、未だに忘れることができません。

亀村 俊二

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