無言劇



京都駅にほど近い交差点で赤信号の変わるのを待っていました。
私が渡ろうとする先には、両手にたくさんのビニール袋をさげ一目見て ホームレスのような身なりの初老の男性が赤信号で立ち止まっていました。
そこへコンビニの自動ドアから数人の外国人観光客が買い物を終え出て来ました。
彼らの中の一人がそのホームレスの頭からつま先まで観察し始め そして、何やら話しかけポケットから小銭を出して彼に渡そうとしました。

私はその様子を見て、ほほー・・・なかなか微笑ましいことやなぁと感じていたのですが
外国人から小銭を差し出された彼は毅然と姿勢を正すかのようにして
はっきりと断り、その場から立ち去っていったのです。

残された外国人観光客は信じられないという表情で顔を見合わせておりました。

彼らが何を話したのか交差点の向こうのことで、なにも聞こえなかったのですが
今、私達が忘れかけている古き良き日本の「日本人のこころ」
そんな無言劇を遠くから垣間みたような一瞬でした。

亀村 俊二

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